体の一部が結合した状態で生まれてくる結合双生児。
枯葉剤の影響を受けたとされるベトナムの「べとちゃんドクちゃん」が有名ですが、日本でも生まれています。
今回はその「結合双生児」である長嶺姉妹について調べてみました
- 【結合双生児】長嶺姉妹の現在は?
- 【結合双生児】長嶺姉妹の生い立ち
- 長嶺姉妹が生まれてから分離手術成功までの詳細
- 結合双生児はどうして生まれるの?
- 結合双生児は片方が亡くなったらどうなる?
- 関連記事
- まとめ
【結合双生児】長嶺姉妹の現在は?
- 長女:長嶺栄
- 次女:長嶺光
- 生年月日:2001年1月10日(22歳)
- 出身地:沖縄県
- 身長:栄/145㎝ 光/143cm
当然ですが生まれたのは全く同時で、お医者さんが生まれる前に「小さい方を長女としましょう」と提案していたことから、生まれたときは小さかった栄さんが長女ときまったとか。
いつも向かい合っているので、お互いの鼻をおっぱいと間違って吸ったりしていたそうです。
なんかかわいい
ちょっと大きくなるとお互いを手で押しあったり、押されて嫌な顔をしたりもしていたそう。
ちょっとじゃまだったのかな
現在、姉妹の下には弟さんがおられるそうです。
長女、栄さんは免許を取得
長女の栄さんは最近、自動車免許を取得したそうです。
練習のために毎日車を運転しているのだとか。
弟さんがハマっているレースゲームで弟さんと対戦し、見事に勝利を収めていました。
これが実車を運転してる強み⁉
次女、光さんの日課は体操
12歳の時に脊椎側弯症と診断された光さんは、症状を悪化させないための体操を日課としています。
体操の間に背骨を強制する器具の上に30分ほど横になるので、その間にハマっている韓流ドラマの視聴や読書をしているのだとか。
効率的で素晴らしい!
成人して成長が止まるまでは常にコルセットをつけて上半身を伸ばすように矯正していたそうですから、夏は大変だったのではないかと思います。
姉妹はYouTubeやInstagramで日常を発信しています。
【結合双生児】長嶺姉妹の生い立ち
- 妊娠12週目:胎児が結合双生児だと告げられる
- 妊娠13週目:出産を決意
- 妊娠21週目:医師から分離手術とその条件に付いて告知される
- 11月:母、栄子さんが神奈川の聖マリアンナ医科大学病院に入院
- 2001年1月10日:帝王切開で無事誕生
姉妹の母、栄子さんを担当した田島医師は、当初出産に反対していました。
結合双生児の生存率は低く、せいぜい25%ほどしかありません。
分離手術についても結合している部位により成功率に大きな差がつきます。
さらには分離したことで双生児が機能的に生きていけなくなる可能性もあります。
しかし田島医師は両親の決意が固いとみると全面的に協力し、沖縄には分離手術に対応できる病院がなかったことから、神奈川県の聖マリアンナ病院での出産のために尽力しました。
聖マリアンナ病院ではプロジェクトチームを結成し、長嶺姉妹の出産に備えたそうです。
沖縄から神奈川へ出てくるために貯金を使い果たした父の聡さんの所持金は、妻の栄子さんを入院させた時点で2万円ほどしかなかったとか。
金銭的にも大変だったんだね
帝王切開で生まれた姉妹は、腹部の一部が結合してはいるものの、とても元気でした。
幸いにも分離手術に成功した姉妹は元気に育ち、後には弟さんが生まれて3人兄弟となっています。
残念ながら父の聡さんは2017年に高血圧による脳出血で亡くなってしまわれましたが、今もご家族4人で暮らしておられるようです。
長嶺姉妹が生まれてから分離手術成功までの詳細
- 出産後、共有部分は肝臓のみと判明
- 肝臓以外の臓器は姉妹それぞれに独立
- 心配された胆管も姉妹それぞれに存在することが確認される
- 2001年3月7日、長嶺姉妹の分離手術が成功
- 手術時間は4時間
腹部の一部が結合していたものの、心配された内臓の共有は肝臓のみであることが確認されました。
胆管も姉妹それぞれに存在することで、速やかな分離手術が可能となりました。
胆管:肝臓から十二指腸まで胆汁が通る管。無いと成長に大きな問題が出る
生まれてから2か月弱の2001年3月7日、体重が合わせて7キロを超えたことで手術に踏み切ります。
分離手術は見事に成功し、無事に長嶺姉妹は一人づつの体に分かれることができたのでした。
5時間の予定の手術が4時間で終わったんだって
16年後、奇しくも同じ3月7日に父、聡さんが亡くなられたことで、3月7日は姉妹にとって「生と死」について考えさせられる日になっているのだとか。
お父さんが亡くなられたの、残念
結合双生児はどうして生まれるの?
体が結合して生まれる結合双生児はおよそ5万から20万出産あたり1組の割合で生まれると言われています。
正確な統計は現在もなく、1970年から1977年に行われたアメリカの大規模調査では出生790万3千件に対し81組でした。これは確率で言えばおよそ10万組に1組という事になります。
一卵性双生児の発生時に受精卵の分裂のタイミングが遅かったことが原因とされており、受精10日以内に分裂した卵子は完全に分離した双生児となりますが、受精13日目以降に分裂が起きると結合が生じることがあります。
また、遺伝子の発現異常が原因となることもあるそうです。
生命の発生って繊細なものなんだね
同性以外の結合双生児や、3人以上の結合児は確認されていません。
結合したまま片方が死ぬとどうなる?
結合双生児の片方が分離されないまま亡くなった例としてはモスクワ生まれのクリォシュリボヴァ姉妹があげられます。
1950年生まれの姉妹の一人であるマーシャが2003年にアルコール依存症による心臓発作で死亡。
17時間後には分離手術を拒否したもう一人のダーシャも死亡しました。
結合したままで片方が亡くなると、もう1人も生きられないんだね
関連記事
まとめ
- 長嶺姉妹はSNSで日常を発信している
- 長嶺姉妹は結合が肝臓のみだったので、速やかに分離手術を受けることができた
- 結合双生児が生まれる確率は5万~20万分の1
- 結合双生児は受精卵の分裂のタイミングなどで起きる
- 結合したまま1人が死ぬと、もう1人も死んでしまう。
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