49 年前、大阪で連続爆弾魔として恐れられた自称「ウルトラ山田」について話題になっています。
ウルトラ山田とは何者で現在何をしているのか気になりますよね。
今回は、ウルトラ山田の画像や経歴と大阪事件の動機に迫っていきたいとおもいます。
- ウルトラ山田って誰?
- 日曜連続爆弾魔事件の経緯
- 少年「ウルトラ山田」の家庭環境
- 少年の憧れ? 驚きの動機
ウルトラ山田って何者で経歴は?
実は「ウルトラ山田」の事件は一つではなく、ウルトラ山田を名乗った犯人も一人ではありません。
ウルトラ山田の名で引き起こされた爆破事件は6件。その内2件は同一犯の疑いが濃厚ながらも犯人特定に至らず時効を迎え、未解決事件となっています。
一件は容疑者の犯行を立証することができませんでした。
検挙されたウルトラ山田は、大阪で3件の爆破事件をおこし、世間に「日曜連続爆弾魔」と称された13歳の少年です。
なんで同じ名前を名乗ったんだろう。
【ウルトラ山田】日曜連続爆弾魔の経緯
日曜連続爆弾魔事件とは大阪で起きた連続事件の総称です!
別名、大阪事件とも呼ばれる日本でも有数の爆弾事件です。
大きく分けて5つの事件が関係しています。
- 近鉄上本町駅コインロッカー事件
- 堺市スーパーニチイ事件
- 近鉄デパート阿倍野店
- 天王寺署上本町七丁目派出所
- 国鉄天王寺駅構内地下トイレ
それぞれ詳しく紹介していこうと思います!
【ウルトラ山田】第1の事件:近鉄上本町駅コインロッカー
「日曜連続爆弾魔事件」は大阪の近鉄上本町駅付近のコインロッカーでのでの爆発から始まりました。
時は1974年2月18日月曜日の深夜0時23分。間もなく最終列車が発車、到着するというタイミングです。 幸いにも通行人などに被害はなく、爆発付近のコインロッカーからは近鉄社長あてに、金銭を要求する脅迫状が発見されました。
爆発の直前には社員自宅に犯行予告の電話がかかっていたこともあり、警察は愛知~兵庫という近鉄沿線一帯に広域警戒態勢を敷きます。
いくらか紆余曲折はあったものの、金銭受け取りの現場にて犯人を確保。数時間後には共犯者も逮捕されました。
犯人は神戸在住の千葉という兄弟で、金銭目的の犯行であったことが確認されました。
爆発物も爆竹から製造されていたことが分かり一件落着かとおもわれましたが、兄弟の逮捕後に事件は思わぬ展開を見せます。
終電間際にこんな事件って!
【ウルトラ山田】第2の事件:堺市スーパーニチイ
3月10日日曜日堺市のスーパーニチイの店内で爆破未遂事件が発生。
ニチイは株式会社ニチイが展開していたスーパーです。
現在のイオン系になりますので近鉄と直接のつながりはありません。
爆発しなくても スーパーに爆弾なんてありえない!
【ウルトラ山田】第3の事件:近鉄デパート阿倍野店
3月17日日曜日午前11時半、大阪の近鉄デパート阿倍野店7階子供服売り場で爆発が起こりました。
爆発の規模は小さく、爆発音の後に白煙と、手持ち花火程度の炎が見られただけだったそうで、怪我人もなく済みました。
ここでウルトラ山田を名乗る脅迫状が見つかります。内容は千葉兄弟の釈放を求めるもので、近鉄電車及び百貨店への攻撃を予告していました。
また、タイマーの仕組みなどから、前の週のスーパーニチイ爆破未遂事件と同一犯とされました。
前回の堺市のニチイからは毎週日曜に事件を起こしたので「日曜の連続爆弾魔」と呼ばれます。
規模は小さくても日曜の子供服売り場は怖い!
【ウルトラ山田】第4の事件:天王寺署上本町七丁目派出所
4月7日日曜日、近鉄デパート上六店からとどけられた小包が爆発。
警察官一人が右手の指3本を失う大けがを負い、他にも4人の負傷者が出ました。
ついに怪我人が‼
【ウルトラ山田】第5の事件:国鉄天王寺駅構内地下トイレ
4月14日日曜日、国鉄天王寺駅構内の地下トイレで爆発がおきました。
国鉄構内は近鉄に関係する場所とはいえませんが、国鉄天王寺駅と近鉄阿倍野駅はすぐ近くの乗換駅で、近鉄デパート阿倍野店も至近となります。
この日を最後に「ウルトラ山田」の犯行は途絶えました。
ここまでよく死者がでなかったよね
現場写真から犯人発見
事件から半年近くたった9月25日、大阪府堺市在住の中学二年生の少年が容疑者として逮捕されます。
発覚のきっかけは、現場写真の野次馬の中に明らかに他とは違う反応を見せている少年が毎回映り込んでいることに、捜査員が気づいたことでした。
犯人は子供だったんだ…
少年「ウルトラ山田」の家庭環境
自称「ウルトラ山田」少年は、どのような少年だったのでしょう。
少年は母と祖母と3人暮らし。
裕福な家庭ではなく、少年自身も小学生の頃は新聞配達などをして家計を助けていたそうです。
小学6年生ごろから学校を休みがちになり、事件を起こした中学2年生の時にはほとんど不登校となっていました。
母親も祖母も生活のために働くことに忙しく、少年が部屋に引きこもって爆弾を作っていたことも知らなかったそうです。
そもそも「日曜の爆弾魔」が世間を騒がせていることをわかっていなかったとか。
ただ、近鉄デパートで発見された脅迫状を書いたのは母親でした。
脅迫状は達筆で、学校に通っていない少年には書くことのできないものだったようです。
母親は内容を不審に思って問いただしたようですが、「なんでもいいやないけ。いう通りに書いてくれたらそれでいい。別になんもせえへん。」と言われてそのまま書いてしまったとか。
これは事実と認められたようで、母親は共犯とはされていません。
お母さん、よほど余裕がなかったのかな…
捜査員が現場写真の少年に気づくより前に行ったローラー作戦で、堺市に中学2年生の爆弾マニアの少年がいることは把握されていました。
参考人として採取された指紋が国鉄天王寺駅トイレの爆発物に残された指紋と一致したことが決め手となっての逮捕でです。
その後の捜査の結果、第2、第3、そして最後の国鉄天王寺駅トイレの事件は少年の犯行であったことが確定されましたが、唯一負傷者を出した第4の事件については少年の犯行であるという確証を得られませんでした。
【ウルトラ山田】大阪事件の驚きの動機
見ようによっては一種の愉快犯かとも思われる自称「ウルトラ山田」少年。
少年発見のきっかけとなった写真にも、食い入るようににらみつけるように犯行現場を見る少年が映っていたそうです。
ただ、第1の事件の犯人である千葉兄弟の釈放を求めたのは、少年の目に兄弟がある種のダークヒーローのように映っていたからだとか。
金銭的に苦しい家庭で母や祖母の苦労を見ながら育った少年には、千葉兄弟の「あくどく稼ぐ金持ちから金品を奪う」たくらみが格好良く見えたのでしょうか。
元祖「ウルトラ山田」の未解決事件の頃の少年は6歳。
さすがに同一犯の可能性はナシとされました。
もしかしたら爆弾魔「ウルトラ山田」も、少年にとってはヒーローだったのかもしれません。
ダークヒーローに憧れて爆弾を作っちゃったのかな
自称「ウルトラ山田」少年の生年月日などは分かっていませんが、当時13歳だったということは2023現在61歳。
その後の続報を見つけることはできませんでしたが、立派に更生していることを祈ります。
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まとめ
- 「ウルトラ山田」は未解決事件の犯人とその名を名乗って爆破事件を起こした少年
- 毎週日曜日に事件を起こしたので日曜の「連続爆弾魔事件」と呼ばれた
- 犯人の少年は不登校で爆弾づくりが趣味
- 母親は生活に追われて少年が何をしているかわかっていなかった。
- 少年の動機には爆弾魔をダークヒーロー視していたらしいところがある。
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