2023年5月25日の「奇跡体験!アンビリバボー」で、『連続爆破事件の真相』が取り上げられます。
近鉄を標的とした爆破事件ですが、それに続いて事件を起こした少年が自分のことを、脅迫状に「ウルトラ山田」と書いています。
ウルトラ山田は60年代に起きた爆破事件の犯人が元々使っていた名前で、その事件は未解決のまま時効になっています。
「ウルトラ山田」事件に関係するのは2組あって、元々の爆破事件の犯人として千葉兄弟が逮捕され、千葉兄弟を釈放しろと要求して爆破事件を起こした13歳のA少年もまた逮捕されました。
少年Aの犯行動機はなんだったのか。そして判決と現在はどうしているのか、さらに生い立ちまで調べます。
※アンビリバボーでは仮名で渡辺兄弟と紹介されています。
- ウルトラ山田事件とは?
- 少年Aの判決は?
- 少年Aの生い立ちは?
- 少年Aの動機は?
- 少年Aの現在は?
今回はウルトラ山田事件について調べます。
ウルトラ山田事件とは?
この事件は金銭を目的とした爆弾事件を起こして近鉄を脅迫した千葉兄弟がまず逮捕され、その後この兄弟を釈放させようと爆破事件を起こした少年Aが逮捕されるという二段構えになっています。
それでは詳しく事件を見ていきましょう。
千葉兄弟の起こした爆破事件
1974年2月18日午前0時23分、大阪市天王寺区の近鉄上本町駅で爆発が起こりました。怪我人はいなかったが、脅迫状が置いてあり、近鉄に5000万円を要求していました。
こちらがその脅迫状の文面です。
われわれは多額の現金が必要なため貴社にそれを用立ててもらう。
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この書面を貴社がみるころ、近い現場と時刻に、ある場所で爆発が起きているはずだ。
そのあとでも連続して犠牲者が出ることになるだろう。
われわれが所持しているのはニトロである。
五千万円出せ。
もしこの要求に応ずるのであれば『政子話し合う、すぐ電話せよ』という文と連絡電話番号を
毎日新聞の広告欄にのせよ。警察に連絡すれば、われわれにはすぐわかる。
その結果いかなることになろうと、われわれの方に責任はない。
近鉄側はすぐに警察に連絡し、脅迫状に従って新聞に広告を出しました。
3月10日の最初の引き渡しの予定は犯人側からキャンセルされ、その後13日に引き渡しが行われることになりました。
犯人が当時45歳のタクシーの運転手に車を運転させ、百貨店の26歳の店員に現金を運搬させるように指定してきました。
しかし待ち合わせしたドライブイン「宇治」に向かったのは、店員やタクシー運転手ではなく、店員や運転手に扮した捜査員でした。
到着後、犯人が歩いてきて体に巻いた導火線を見せて、「爆弾を持っている。おかしな真似をしたらこれや」と凄みます。
店員に扮した巡査長がお金を持ってゆっくり歩いていき、男に飛びかかり、運転手役をしていた巡査長と2人で取り押さえました。
男は神戸市に住む千葉という無職の男性(当時44歳)でした。
また茨木インター付近で検問をしていると、三河ナンバーの車を運転していた男が怪しい動きをしたため、調べたところ、千葉の弟と判明(当時31歳)し、連行されました。
犯行理由として、兄の方の供述が出ていました。
「世の中の貧富の差があまりにひどいことに腹が立った。こうした世の中で自分も一旗上げるには、爆破を実行に移すことぐらいしかできることがないと思った。近鉄を狙ったのは、大会社で相当の金があるはずと見たからである。また以前に、ナポレオンの帽子を高い値段で売りに出すなどふざけている上に、日頃から不当な利益を得て、大きな顔をしていることも癪に障った」
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そして、この「動機」が公表されると、また日曜日に爆発事件が起こりました。
13歳の少年Aの犯行
1974年3月17日午前11時半頃、混雑する日曜日の近鉄デパート阿倍野店の7階子供服売り場で小さな爆発が起こりました。白い煙が出た程度で、怪我人はいませんでした。
次の事を実行せよ
我々の要求に応じるならば我々は第二第三と
爆破及び放火計画を中止する
我々の要求とは千葉兄弟を訳放せよ
要求に御応じないときは我々は近鉄百貨店
近鉄電車が攻激目的となる我々は利益を
目的としない甘く見るな
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ウルトラ山田より
(脅迫状に書かれた間違った漢字は実際に書かれたものです。)
「ウルトラ山田」という名前は、過去の未解決の爆弾事件で犯人が使った名前です。少年は過去の事件に関係はなく、単にその名前を知っていたので利用したようです。
その過去の未解決事件については、次の記事に詳しく書いているのでそちらをご覧いただければと思います↓↓↓
この事件の前に起きていた3月10日に堺市のスーパーニチイで爆破未遂事件が起こっており、そのタイマーの仕組みなどがこの近鉄デパートと同じものだったため、同一犯と思われました。
さらに4月7日の日曜日、近鉄デパート上六店から「怪しい」といって持ち込まれた包みを天王寺の派出所の警官が開けようとして爆発し、警官1人の右の手の指3本を失い、他の4人も軽傷を負いました。
そして翌週の4月14日の日曜日、国鉄天王寺駅構内のトイレで爆発が起こり、怪我人はいなかったものの、正面に近鉄デパート阿倍野店がありました。
犯人は千葉兄弟の釈放を求めるだけで、金の要求などはなく、なかなか犯人を特定できませんでした。
しかし、9月になって、爆発現場の写真を全て見ていくと、いつも必ず写っている若い男が見つかりました。
彼は爆弾の好きな少年として警察も把握していたA少年でした。
このA少年の指紋が天王寺駅トイレの爆弾から発見された指紋と一致し、このA少年が犯人であるとわかりました。
少年Aの判決は?
名前や判決などは70年代ということもありインターネットに記録が残っていませんでした。
また当時13歳ということもあり、実際にどのような処分を下されたかは不明です。
もしかすると今回、テレビで放送するかもしれないね!
少年Aの生い立ちは?
- 母子家庭
- 祖母、母、少年の3人家族
- 爆弾マニア
- 登校拒否
- 小学校の時は新聞配達をしていた
- 一人っ子
少年Aは母親と祖母と暮らす3人暮らしで母子家庭でした。
母親は税務署で電話交換手をして家族を養っていました。
少年Aは一人っ子で、小学校の時は新聞配達をして家計を助けていましたが、次第に不登校となり、事件時の中学2年時にはほとんど学校には行っていませんでした。
学校に行っていなかったため、漢字や文章を書くことが得意でなく、脅迫状は母親に書いてもらっていました。母親も変な文章だと思い、何に使うのか尋ねたそうですが、
「なんでもいいんやないけ。言う通りに書いてくれたら、それでいい。べつに何もせえへん」
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このように答えたため、母親は黙ってただ書いたということです。
母親は忙しくて息子が爆弾を作っていたことも知らず、爆発事件があったことも知りませんでした。
少年Aの動機は?
千葉兄弟の犯行動機に賛同したからと見られています。
千葉兄弟に憧れて釈放させようと思っていたようです。
貧しい生活で戦っているというように自分と同一視して受け取ってしまったと思われます。
少年Aの現在は?
49年前に13歳だったので、現在は62〜63歳と思われます。
少年だったため、氏名なども公表されておらず、記録が見つからず現在どうしているかはわかっていません。
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まとめ
今回は、「ウルトラ山田事件」を取り上げました。
- 少年Aは貧富の差がひどいと訴えた爆破犯人千葉兄弟に同情して解放させたいと思い事件を起こした
- 少年は母子家庭で小学校の時は新聞配達をして家庭を助けていた
- 少年Aは金銭の要求などはせず、千葉兄弟釈放だけを要求していた
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